光風霽月「こうふうせいげつ」

姉は・・おとうとを見送った・・
難病と向きあい・懸命に生きた弟を支えた姉・
歩くことも出来なくなり・・からだを動かすことも・・
見えるものも少なくなり・・聞こえる音も弱くなる・・
食べる力も衰えて・・からだにチューブを刺す・・

施設からの知らせは午前2時・・・
飛び起きて向かう車に対向車は無い・どこを来たのかも記憶に残らず・
汗に混じった涙の意味は・・誰にも分らない・・

弟との面会・・すでに息は無く・・
弟の身体にやっと満足を見たと・・
白装束に・・草鞋を履いて・・あの世でなら歩けると・・
三角頭巾でそっちの世でなら・・チューブを外して食べられると・・
美味しいとか・・まずいとか・・
少しは、わがまま言ってもいい・・
涙を隠して・あちらに行ったと・・話す・・
                           合掌
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